免疫向上力

アラキドン酸とカスケード

アラキドン酸はカスケードによって様々な代謝物質を作り、その代謝物質によってアラキドン酸の免疫力の向上やコレステロール値の減少、さらには高血圧値を下げるなどの有用な効果が出てくるのです。
カスケードというのは英語で連なった滝という意味があります。
アラキドン酸カスケードは、アラキドン酸から派生される代謝物質が滝のように下に向かって継続していくということで、カスケードといわれます。

アラキドン酸は細胞膜の主要成分であり、細胞膜のリン脂質を構成しています。
細胞膜からホスフォリパーゼという酵素の働きによって遊離し、さらにシクロオキシゲナーゼという酵素によってプロスタグランジンやトロンボキサン類などが代謝されます。
リポキシゲナーゼの働きを受けると、ロイコトリエン類が代謝されます。
こうしたアラキドン酸派生による代謝経路を、アラキドン酸カスケードといいます。

特にシクオロキシゲナーゼという酵素の働きによって産生される生体調整ホルモンであるプロスタグランジンは、免疫力の向上や生殖機能向上、コレステロール値や高血圧値を下げるなどの働きがあり、私たちの体にとって有用な働きをすることがわかっています。
アラキドン酸の過剰摂取となるとこうした有用な働きが逆に作用するといわれています。
体内量が不足する高齢者以外は、現代の日本人の食事においてサプリメントなどで補う必要はないといわれていますが、食事制限やたんぱく質を制限したダイエットなどを行っている方は、補っていく必要があるかもしれません。